きょうのことばセレクション

省エネ空調

2022.12.1(木) 掲載
 空調機は電力消費が大きく、1世帯のエネルギー消費の3割程度を占めるとされる。アジアやアフリカなどでは今後、所得向上に比例して空調機の普及率も高まる。設置台数の拡大に伴い電力消費も増える。国際エネルギー機関(IEA)によると、2050年の空調による電力消費量は16年の3倍まで増える見通し。脱炭素社会の実現に向けて各国政府も環境規制を強化しており、省エネ空調に注目が集まっている。
 省エネ空調の代表格がインバーター技術の搭載だ。空調の電力使用の8割を占める圧縮機の運転を効率化する。圧縮機を動かすモーターの回転数をインバーターで細かく制御して省エネにつながる。搭載していない機種に比べ、消費電力は6割程度減らせる。
 環境意識の高い日本や欧州では、ほぼ全ての空調にインバーターが搭載されている。北米やアジアでは、足元では半分以下にとどまると指摘されているが、環境規制に電力価格の高騰などが重なり、今後急速に空調のインバーター化が進む見通しだ。モーターなど機器のさらなる効率性追求に加え、人工知能(AI)なども活用した運転制御の向上が省エネ空調には求められている。
省エネ空調