きょうのことばセレクション

OECDの企業統治原則

2022.11.1(火) 掲載
 各国のコーポレートガバナンス(企業統治)に関する法律や規制、指針の参考になるように経済協力開発機構(OECD)が策定する原則。企業統治の国際標準とされる。1999年に初めて公表し、これまでに2度改定した。企業統治委員会(議長・神田真人財務官)で20カ国・地域(G20)諸国を巻き込んで3度目の改定案を議論している。意見公募などを経て2023年に仕上げ、G20の承認を得る見通しだ。
 今回の改定案は新型コロナウイルスや気候変動などを踏まえ、全体としてESG(環境・社会・企業統治)に重きを置いた。「持続可能性と強靱(きょうじん)性」という新たな章を設け、ESG関連の情報開示を求める内容を充実させた。短期的な株主利益の最大化でなく、従業員を含めた様々なステークホルダーの利益に配慮する視点を盛り込んだ。
 デジタル化への対応も求める。株主総会は「バーチャルまたはハイブリッド形式を認めるべきだ」と記した。サイバー攻撃などデジタルセキュリティーに関わるリスクに対処する人材やデータ処理能力が重要だと指摘している。
OECDの企業統治原則