きょうのことばセレクション

カーボンクレジット

2022.9.1(木) 掲載
 植林や森林保護、再生可能エネルギー導入による温暖化ガスの削減効果を取引可能なかたちにしたもの。買い手は削減量を積み増し、排出量と相殺したとアピールできる。民間主導のクレジットは第三者機関が認証する。規制上の排出上限を超えた企業が、上限を下回っている企業の余裕分を買う欧州連合(EU)の排出量取引制度(ETS)とは異なる。ETSが「排出枠」を取引するのに対し、クレジットは「削減量」を売買する。
 民間クレジットの取引量は増加している。米NPOが運営するエコシステム・マーケットプレイスによると、2021年の世界の取引量は4億9310万トンで20年と比べ2倍以上に増えた。1トンあたりの取引価格は削減時期や事業の内容により異なる。削減時期が古いクレジットは相対的に安い。
 22年6月には民間基準の策定団体が買い手となる企業向けに活用の指針案を発表。買ったクレジット量や発行事業の詳細を開示すべきだとの内容を盛り込んだ。7月には別の策定団体がクレジットの品質を認証する原則案を発表している。
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