きょうのことばセレクション

デング熱

2022.9.1(木) 掲載
 ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの蚊がウイルスを媒介する感染症。世界保健機関(WHO)の推計では、世界で毎年3億9000万人が感染し、約2万人が死亡している。主な感染地域はアジアで、アフリカや南米など熱帯地方での感染が多い。温暖化に伴って感染エリアは今後さらに広がると予想されている。
 日本でも感染者が出ており、2014年には160人の感染が報告された。16年には海外からの帰国者がデング出血熱で死亡している。デング熱は蚊に刺されてから4~10日間の潜伏期間を経て発症する。大半は無症状だが、高熱や頭痛などの症状が出るほか、重症化した場合は出血や呼吸困難となり死に至る場合もある。
 入院が必要なデング出血熱の致死率は2~5%とされる。有効な治療薬はなく、症状が出た場合は解熱剤の使用や集中治療といった対症療法が中心となる。米国や欧州、アジアなどでは仏サノフィのワクチンが承認されているものの、副作用が懸念されている。日本ではワクチンは承認されていない。
デング熱