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イールドスプレッド

2022.9.1(木) 掲載
 期待利回りと長期金利との差で示す。不動産を取得・運用した場合に得られる収益などを加味した期待利回りと、不動産を取得するためのマネーを借り入れる際の金利の差が大きければ、利益が高まる。投資家が不動産を取得するかどうか決める際の指標の一つとされる。
 不動産サービス大手CBREによると、日本の不動産投資で期待する利回りはオフィスや物流施設、ワンルームマンションなど多くの種類で低下傾向が続いている。投資家の投資需要が旺盛なためで、東京・大手町のオフィスビルの収益性を示す期待「NOI」利回りは2022年3月時点で3%強と10年代前半の4%台から低下傾向にある。
 一方で、日本は世界の主要国のなかでも金融緩和政策を維持し、円を調達する際の金利は相対的に低い状況にある。このため海外の投資家からみれば、他の海外都市に比べ安定収益を得やすいと映る側面がある。欧州系不動産投資会社パトリツィアの日本法人の中元克美社長は「政治面の安定を含め、東京都心は投資する上で魅力的な状況にある」と話す。
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