きょうのことばセレクション

トップ論文

2022.9.1(木) 掲載
 医学や工学などの分野ごとに他の研究者からの引用回数の多さを順位付けし、上位1%以内に入る論文。引用が多いと論文の注目度や評価が高いことになる。例えば英クラリベイトが選ぶ「引用栄誉賞」は引用数で上位0.1%以内に入る論文を書いた研究者から選ばれ、受賞者376人のうち59人がノーベル賞を受賞している。
 トップ論文の10年前(2008~10年の3年平均)の世界シェアをみると米国が41.2%と圧倒的で、2位の英国が7.6%、3位の中国は6.4%だった。中国は10年前の696本から18~20年の直近の3年平均で約7倍の4744本と本数を急増させ、初めて世界一になった。シェアは27.2%にのぼる。
 日本は存在感の低下が続いており、20年前に4位、10年前に7位、最新の調査では10位と順位を落としている。論文数自体はそれぞれ333本、351本、324本で「ほぼ横ばいの水準」(文部科学省の担当者)だが、中国や欧米が増やす中で他国の勢いに押されている状況だ。世界シェアは1.9%にとどまる。
トップ論文