きょうのことばセレクション

ダイナミックプライシング

2022.8.1(月) 掲載
 販売状況や季節要因によって変わる需要と供給に合わせて、同じ商品・サービスの値付けを柔軟に上下させる「変動価格制」を指す。需要の多い時期や曜日、時間帯に料金を高くすることで収益を拡大できる。需要の少ない時期に料金を低くすれば利用を喚起できる。米航空大手が1980年代から本格導入を始め、ホテルや航空券のように供給量に制限のあるサービス業で売れ残りを防ぐ手段として浸透した。
 日本の輸送サービスでは航空会社や高速バスが導入している。航空では国内線の運賃が運輸省(現国土交通省)の認可制から事前届け出制となり、各社が自由に運賃を設定できるようになった。チケットの売れ行きに応じて日々運賃も変えている。
 新型コロナウイルス禍でテーマパークやプロ野球観戦などでも変動価格のチケットの導入がじわり広がっている。入場者数の分散化や、収益の安定化につなげる狙いなどがある。人工知能(AI)を活用して、過去の入場者数を基に適正価格を割り出す技術も進化している。
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