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欧州中央銀行

2022.8.1(月) 掲載
 ユーロ圏19カ国に適用する金融政策を決める中央銀行。正副総裁や専務理事と加盟国の中銀トップで理事会を構成し、本部はドイツのフランクフルトにある。European Central Bankの頭文字からECBと呼ばれる。各国が出資する形で運営する。総裁のラガルド氏は国際通貨基金(IMF)の専務理事を経て、2019年に就任した。
 多くの中央銀行と同様に物価2%の安定目標を定めており、金融政策だけでなく銀行経営など金融システムの安定も担う。今回の利上げ局面では、14年に導入されたマイナス金利政策の終了も焦点になっていた。近年は金融政策に気候変動対応の要素を盛り込む方針を掲げている。
 設立は1998年。翌99年に独仏伊など11カ国が欧州単一通貨ユーロを導入した。各国は金融政策の判断をECBに委ねている。前回2011年の利上げ局面では欧州債務危機が深刻になり年末にかけて一転して利下げを迫られた経緯があり、ラガルド総裁の政策手腕に注目が集まっている。
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