きょうのことばセレクション

特別免許

2022.8.1(月) 掲載
 一般的な教員免許は大学の教職課程で必要な単位を取得した人に都道府県教育委員会が授与する。1988年創設の特別免許は教職課程を経ていなくても、優れた知識や経験があり教職にふさわしいと都道府県教委が認めた人に与えられる。市町村教委や私立学校から申請・推薦された人らが対象で、学力検定結果などを踏まえて判断する。
 2020年度の授与件数は小中高や特別支援学校を合わせて全国で237件だった。外国人の英語教師や高校の看護学科で教える看護師らが大半で、幅広く民間人材を採用する状況には至っていない。政府の規制改革推進会議は5月、特別免許を増やすために運用を見直すよう求めた。
 教員の労働環境も民間人材が二の足を踏む要因になっている。事務負担が重く、6割の中学校教員は21年6月の時間外勤務が45時間を超えた。残業を考慮すると給与は低水準とされ、成果に応じたメリハリも乏しい。優秀な人材の獲得には教員の働き方改革の推進も課題となる。
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