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イールドカーブ・コントロール

2022.7.1(金) 掲載
 日銀が短期政策金利と長期金利の誘導目標を定め、その水準を実現するように国債の買い入れを行う金融緩和策。国債の残存期間(満期までの期間)と金利の関係を示す利回り曲線(イールドカーブ)全体を操作する。長短金利操作とも呼ばれ、現在は短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度に誘導している。
 長期金利を円滑に操作するため、指定した利回りで国債を無制限に買う指し値オペを政策手段として備える。ゼロ%程度の解釈を巡っては2016年9月の導入当初は0%からプラスマイナス0.1%程度の範囲で動くようにしていたが、18年7月にプラスマイナス0.2%程度、21年3月にプラスマイナス0.25%程度へ広げた。
 海外発の金利上昇圧力の高まりを受け、22年4月には10年物国債を0.25%の利回りで無制限に買う指し値オペを原則として毎日実施する方針を明確化した。足元では日銀が操作している10年以外の金利が大幅に上昇しており、残存7~9年の国債利回りが一時、10年債利回りを上回るなど債券市場のゆがみが目立っている。
イールドカーブ・コントロール