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欧州委員会

2022.6.1(水) 掲載
 欧州委員会は欧州連合(EU)の法案や政策を実行する機関だ。ベルギー・ブリュッセルに本部があり、閣僚理事会、欧州議会と並ぶEUの主要機関の地位を占める。通商や環境、通信、競争政策など欧州委が担当する政策分野は多岐にわたり、日本にたとえるなら「ヨーロッパの霞が関」と言える。3万人強の職員がいる。
 欧州委のトップはドイツ出身のフォンデアライエン欧州委員長。委員長のほかに閣僚級の欧州委員が26人おり、加盟27カ国が一人ずつ委員を出している。委員長はEUを代表して、EU大統領ととともに主要国首脳会議などに出席する。欧州委は独占的に新規法案やルール案を出す権限を持ち、その後、閣僚理事会や欧州議会での議論・修正を経て成立する。その後の法執行なども監視する。
 歴史も言葉も異なる27の加盟国が政策について合意に達するのは容易ではない。分野によっては、結束の強さに濃淡があるのも事実だ。EUとしてまとまりやすい分野の筆頭格と目されているのが競争政策やデジタル政策だ。グーグルなど米巨大IT(情報技術)企業が市場を席巻するなか、どの国も規制など何らかの対応を求められているからだ。
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