きょうのことばセレクション

ブロックオファー

2022.5.1(日) 掲載
 証券会社のトレーディング部門が手がける取引のひとつ。個別の上場株を一括で売却したい大株主から株式を買い取り、通常取引の時間外で投資家に転売する。取引時間中に大量の株式を売り出すと需給バランスが崩れ、株価が過度に下落したり売買成立まで時間がかかったりといった悪影響が出る恐れがあるため、ブロックオファーを依頼することがある。
 大株主と証券会社の間で価格やディスカウント率、約定日などを決める。同時に証券会社は投資家に購入の意思があるかどうかを探る。投資家は割安に株式を買えるメリットがあり、証券会社には買い取りと売却の価格差が利益になる。この取引は「エクイティオファー」「マーケティングオファー」などと呼ばれることもある。
 今回の事件でSMBC日興証券は、株式売買の部門が取引時間中に自社資金で大量の買い注文を入れ、株価が下がらないようにしたことが相場操縦罪にあたるとされた。株価が下がって大株主が不満を抱き、取引が不成立にならないよう株価を下支えしたい思惑が働いたことが背景とみられる。他社の中には売買部門が対象銘柄を取引できないよう監視しているケースもあるが、同社では部門間で情報共有し売買を行っていたとされる。
ブロックオファー