きょうのことばセレクション

カーボンニュートラルLNG

2022.4.1(金) 掲載
 天然ガスを冷却して液体にした液化天然ガス(LNG)は、生産地からタンカーで輸送され、消費地に供給される。石炭と比べれば燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量は半分ほどだが、生産から輸送、発電用の燃焼までに1隻分あたり合計20万~25万トンのCO2が発生する。その分をカーボンクレジット(削減量)を購入して相殺し、「排出ゼロ」と見なす。
 クレジットは植林や再生可能エネルギーなどの事業を通して発行される。近年はCO2を回収して貯留する「CCS」技術を対象としたクレジット創出を目指す動きもある。カーボンニュートラル(CN)LNGの取り扱いは英シェルのほか仏トタルエナジーズ、英BP、INPEXなどに広がっている。日本の都市ガス会社はこうした企業から輸入・販売する。
 利用企業が増える一方、国内外の法整備は道半ば。日本では2050年の温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を明記した改正地球温暖化対策推進法(温対法)における取り扱いも未定だ。東ガスが21年3月、いすゞ自動車、三菱地所などと「カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス」を設立し、普及活動を進める。三菱重工業なども同年10月、LNGの脱炭素化に向けたルール作りを促す組織を発足した。
カーボンニュートラルLNG