きょうのことばセレクション

相場操縦

2022.4.1(金) 掲載
 証券市場で架空の売買や大量の注文を出すなどして意図的に株価を操る行為。公正な価格形成をゆがめるとして禁止されている。金融商品取引法は類型として(1)仮装取引(2)なれ合い取引(3)変動操作(4)安定操作――などを挙げており、SMBC日興証券幹部らが市場の閉まる間際に注文を約定させた「終値関与」について、東京地検は安定操作に当たる疑いがあると判断した。
 証券取引等監視委員会は検査や調査で違反があれば、金融庁に課徴金処分を勧告したり、刑事処分を求めて検察当局に告発したりする。法定刑は金商法で最も重い10年以下の懲役もしくは1千万円以下の罰金または併科などで、法人を罰する規定もある。行政処分の場合、課徴金は違反行為後から1カ月間の株価を基準に算定される。
 過去には大阪証券取引所(現大阪取引所)の取引を活発に見せかける仮装売買を繰り返したとして、大証の元副理事長が起訴され、最高裁で2007年に有罪判決が確定した。09年には早稲田大の投資サークルOBらのデイトレーダーグループが嘘の買い注文などで株価をつり上げて売り抜けたとして起訴され、有罪が確定している。
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