きょうのことばセレクション

人的資本

2022.4.1(金) 掲載
 人材を企業のコスト要因ではなく、投資対象とみなして企業価値の向上につなげる考え方。教育や訓練、最適な配置を通じてスキルや能力など人材の持つ価値を最大化し、企業価値を高める。経済のデジタル化が進むなか、人的資本の企業価値に与える影響が大きくなっており、投資家も重視している。
 開示基準を定める動きが世界各国で広がる。欧州委員会(EC)は人的資本を含めたESG(環境・社会・企業統治)の情報開示ルールの策定を急ぐ。2014年に「社会・従業員」の開示を義務付けたが、詳細を定めていなかった。米証券取引委員会(SEC)は20年に従業員数の開示を義務付けた。今後より具体的な開示手法を定める。
 日本では改定企業統治指針で人的資本の開示が要請された。経済産業省が公表した報告書「人材版伊藤レポート」では、経営陣が従業員や投資家と人材戦略について積極的に対話する必要性が指摘されている。
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