きょうのことばセレクション

難民認定

2022.4.1(金) 掲載
 入国した外国人が難民条約が規定する難民としての保護を受けられるかどうかを判断する手続きのこと。難民条約は「難民」を「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員、政治的意見」を理由に迫害されるおそれがある人と定める。政府は個別に外国人の申請内容を審査して要件に該当するかを決める。認定されれば定住者としての在留資格を付与し生活支援も受けられる。
 日本は難民認定者数が少ないと批判されてきた。難民支援協会がまとめた2020年の難民認定件数でドイツが6万3456件、カナダが1万9596件にのぼる一方、日本は47件にとどまる。難民支援団体は日本の件数の少なさについて申請の審査基準が厳しいなどと指摘する。
 日本では難民認定の手続きを経て認めた難民のほかに、紛争で住んでいる場所を追われた避難民を人道上の配慮から特例として在留を認める場合もある。ベトナム戦争後に同国などから逃れてきた避難民を受け入れた例がある。政府が検討する出入国管理法改正案には難民条約の定義に当てはまらなくても国内で保護できる対象を認定する制度の創設を盛り込んだものの、国会提出のメドは立っていない。
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