きょうのことばセレクション

最恵国待遇

2022.4.1(金) 掲載
 世界貿易機関(WTO)協定の基本原則の一つ。通商、関税などでいずれかの国に与える最も有利な待遇を、ほかのすべての加盟国にも与える。例えば、ある国に対して関税率を5%に引き下げると約束した場合、ほかの全ての加盟国にも5%の関税率を適用しなければならない。加盟国を平等に扱うことを意味する。
 カナダはウクライナ侵攻を続けるロシアの最恵国待遇の撤廃を今月初めにいち早く表明した。実質的に全ての輸入品に35%の一般関税がかかる。日本は最恵国待遇を取り消すと、ロシアからの輸入が多い魚介類や木材などの一部の税率が上がるとみられる。基本税率が高くないため、これだけではカナダのような高関税にはならない。
 G7各国は国内法制度の違いがあり、対応に差が出る可能性がある。日本の法制度も最恵国待遇の取り消しや特定国への関税引き上げを想定しておらず、法改正の必要性を含めた議論になる。WTO協定との整合性も課題となる。
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