きょうのことばセレクション

石油備蓄

2022.4.1(金) 掲載
 各国が危機対応のために備蓄している石油の在庫のこと。国際エネルギー機関(IEA)は加盟国に対し、輸入量の90日分相当の原油や石油製品(ガソリンや軽油など)を備蓄するよう義務付けている。市場で供給不安が高まった場合、IEAが加盟国に打診し、備蓄を放出する。
 IEAの最新のリポートによれば、OECD諸国の国家と民間をあわせた備蓄量は21年12月末時点で41.6億バレルと、需要量の91日分とされる。過去の備蓄放出は、1991年の湾岸戦争や2005年に米国を大型ハリケーンが襲って供給不安が浮上した際、11年のリビア情勢の悪化を受けた例がある。
 資源エネルギー庁によると日本は「国家備蓄」以外に「民間備蓄」や「産油国共同備蓄」として在庫を持っている。21年12月末時点では、国家備蓄として146日分、民間備蓄が92日分、産油国共同備蓄が4日分あり、合計241日分ある。足元のロシアによるウクライナ侵攻を受け、日本は民間備蓄から750万バレル(約4日分)を放出する方針だ。
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