きょうのことばセレクション

通貨防衛

2022.4.1(金) 掲載
 中央銀行や政府が自国通貨の急落を防ぐために対策を打つこと。自国通貨が急落すると輸入価格が上昇してインフレになったり、外貨建て債務が膨らんで債務不履行に陥ったりする。通貨安をきっかけにした経済危機を防ぐ。外貨準備を使って他国通貨を売って自国通貨を買う為替介入や、政策金利を引き上げて資本流出を防ぐなどの手段がある。
 主だった通貨危機には1997年のアジア通貨危機がある。タイバーツの暴落が発端となった。タイは急速な資本流出に対処するため「ドル売り・バーツ買い」の介入で通貨防衛に動いたが、暴落を防げず、インドネシアや韓国などにも危機が連鎖した。
 今回、ロシア財務省とロシア中銀は、ルーブル安を阻止するため緊急の利上げだけでなく、輸出企業に対し、対外貿易での売上高の80%に相当する外貨を強制的に売却することを義務付けた。最近の通貨防衛の例では、トルコ中銀が、通貨リラ建ての預金を外貨換算の価値で保証する新たな預金保護策の実施をしている。
通貨防衛