きょうのことばセレクション

金利スワップ

2022.3.1(火) 掲載
 同一通貨の異なる種類の金利を一定期間交換する金融派生商品(デリバティブ)の一種。代表的なのは固定金利と変動金利を交換する取引で、金利上昇に対する損失リスクを抑える目的などで利用される。例えば変動金利で住宅ローンを借りている人が将来の金利上昇に備える場合に、「変動金利を受け取り固定金利を支払う」という金利スワップを別の銀行と契約する。これによりローンの借り手が支払う金利が固定金利となり、金利上昇によるコスト増加を抑えられる。
 翌日物金利と固定金利を交換する取引を「OIS(オーバーナイト・インデックス・スワップ)」と呼ぶ。翌日物金利は日本の無担保コール翌日物など金融政策との連動性が高く、将来の金融政策の織り込みを見る上で重要な分析ツールとなる。
 2021年末に日本円のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が廃止されたため、翌日物金利を長期間の固定金利に変換できるOISの需要は高まっている。LIBORの代替指標としてQUICKが算出する東京ターム物リスク・フリー・レート(TORF)はOISの取引データに基づいて算出されている。
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