きょうのことばセレクション

低格付け債

2022.3.1(火) 掲載
 信用格付けがダブルB格以下の企業が発行する債券。投機的等級とされ、「ハイイールド債」とも呼ばれる。元本や利子の支払いが滞る債務不履行(デフォルト)のリスクが高い分、発行時にスプレッド(国債に対する上乗せ金利)が大きくなりやすく、トリプルB格以上の投資適格債と比べて利回りが高くなりやすい。低格付け債への投資を禁じる年金基金などもある。
 低格付け債は定期的に決まった金額の利子を受け取れる固定金利の仕組みだ。ダブルB格以下の企業への融資は「レバレッジドローン」という。投資銀行などが協調融資の形で企業に貸し出し、その裏でローン債権をほかの投資家に転売する。変動金利の仕組みで、市場の金利変動に応じて利子の額が変わる。
 財務状況の悪化などで投資適格債から低格付け債に格下げされた社債は「フォールン・エンジェル(堕天使)」、反対に低格付け債から投資適格債に格上げされた社債は「ライジングスター(希望の星)」と呼ばれる。
低格付け債