きょうのことばセレクション

貿易決済

2022.1.1(土) 掲載
 輸出入などの貿易取引。半分近くをドル建てが占めるとされる。銀行が輸入業者に代わって輸入代金の支払いを保証する信用状や商品の明細、商品出荷時に船会社が発行する船荷証券など多くの書類が必要になる。船荷証券は運送人から貨物の引き渡しを受ける権利を表すほか、実質的な貨物の所有権を示す。
 輸出入業者が遠く離れるため、代金の支払いと物品や船積み書類の引き渡しは同時にできないケースが多い。互いを信用して特別なリスクヘッジをせずに代金の前払いや後払いをする慣習もある。ただ、約束通り物品が引き渡されないと輸入業者が損害を被り、逆に代金が支払われないと輸出業者が損害を被る。
 関係者が円滑に書類を授受できないと荷物が港で留め置かれることもある。このためブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って書類をやりとりする動きが出ている。データを瞬時に共有することで、物流の停滞を防ぐ。煩雑な手続きや債務不履行のリスクを理由に輸出に及び腰だった中小企業も、海外に販路を求めやすくなる。
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