きょうのことばセレクション

医系技官

2021.12.1(水) 掲載
 国家公務員のうち医師や歯科医の免許を持つ行政官。厚生労働省が採用の窓口で、国家公務員の採用試験が免除されるなど通常の官僚とは別の採用体系となっているのが特徴だ。厚労省の本省や検疫所など関連機関に加え、内閣官房や文部科学省、国立病院などで勤務する技官もいる。世界保健機関(WHO)など国際機関に派遣されるケースもある。医系技官のほかにも、薬系や看護系、獣医系などの専門的な技官がいる。
 保健医療分野は専門的な知識が求められるため、事務官と技官が連携しながら政策づくりにあたる。医系技官の歴史は古く、明治期に日本の公衆衛生の確立に貢献した後藤新平や近代日本医学の父とされる北里柴三郎、最近では政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長らも医系技官だ。
 2017年には国の医療・保健政策の司令塔として次官級の医系技官ポスト「医務技監」が新設された。専門的な知識を生かし、感染症の予防などでは海外当局との交渉など医療の国際連携も担うことが求められている。
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