きょうのことばセレクション

コンテナ船輸送

2021.12.1(水) 掲載
 1950年代に登場し、60年代から国際海上輸送の主役になった。箱形のコンテナのまま港で積み下ろしができ、トラックの荷台にも載せられるため効率的に運搬できる。日本海事センターによると2020年の世界のコンテナ輸送量は1億5400万個(20フィート換算)。新型コロナウイルス禍の影響で前年比1.6%減だったが、この10年間では約3割増と増加傾向にある。
 大陸間の航路でもっとも取扱量が多いのは東アジアから北米に向かうルートだ。米国で消費される物品は東アジアで生産されるものが多く、最近では在宅勤務の広がりを背景に家具や住宅用品といった大型貨物の取り扱いが増えている。人手不足もあって港湾の処理能力が足りず、米国では多くのコンテナ船が沖合で待たされる事態が生じている。
 港の混乱の原因としては空コンテナの問題もある。北米から東アジアに向かうコンテナ貨物量は、東アジアから北米に向かう貨物量より大幅に少ない。東アジア向けは北米向けの約4割しかなく、米国の港では空になったコンテナがあふれている。荷役作業の妨げになるだけでなく、輸送を増やしたい事業者に十分なコンテナが回らず供給制約や運賃の上昇に拍車をかけている。
コンテナ船輸送