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エリサ法

2021.11.1(月) 掲載
 1974年に制定された米国の企業年金の受託者責任を義務付けた法律。正式名称は「従業員退職所得保障法(Employee Retirement Income Security Act)」。受給者の保護が目的で、年金の運用状況や資金調達に関する情報の開示、受給者の不服申し立てのプロセス明確化などを年金基金に求めている。
 米国では40~50年代に政府の税制優遇策や企業の組合運動により「ペンション・ドライブ」と呼ばれる企業年金の設立ブームが起こった。70年代の石油危機の影響で市場が暴落したことから企業年金の財政が悪化し、積立金不足に直面。年金制度の拡充のためにエリサ法が作られた経緯がある。
 米国ではESG(環境・社会・企業統治)がエリサ法の要件として適切かどうかに関して「政権交代のたびに解釈が振れてきた」(三菱UFJ信託銀行受託運用部の岡本卓万フェロー)。民主党政権はESGに対して寛容な政策を打ち出した一方で、共和党政権は抑制的な姿勢を取ってきた。
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