きょうのことばセレクション

秋入学

2021.11.1(月) 掲載
 日本の小中高校は、学校教育法施行規則で始業と終業の時期を「4月1日から3月31日」と定めている。大学は制度改正により2008年から学長の判断で入学・卒業時期を決められるようになったが、高校と円滑に接続するため多くが4月入学だ。
 欧米など主要国では9月を含む秋入学が中心となっている。日本の入学時期などの各国とのズレは学校教育の国際化が遅れる一因とされ、秋入学への移行は1980年代の臨時教育審議会をはじめ、たびたび議論された。2012年には東京大が全面移行を提案したが、高校との接続や就職時期との兼ね合いから見送った。
 20年には新型コロナウイルス禍による長期休校に伴う学習遅れの解決策として、政府内で小中高校の秋入学移行が検討された。しかし移行に伴う財政負担が大きいことなどから実施は見送られた。政府の教育再生実行会議はその後、小中高校の秋入学移行は慎重な対応を要するとする一方、大学については4月や9月に限らず多様な時期に学生を受け入れる体制づくりを促した。
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