きょうのことばセレクション

ジャストインタイム

2021.10.1(金) 掲載
 必要な部品や原材料を、必要な時に必要な量だけ仕入れる生産方式。在庫を最小化してコストを削減する狙いがある。自動車メーカーは車の注文を受けると生産に移る。生産ラインでは多様な注文に対応できるように全ての部品を少しずつ手元に持ち、使った分だけ部品メーカーに発注する。部品メーカーも自動車メーカーに納めた分だけまた部品を作る。
 トヨタ自動車が生み出したとされ、海外の自動車メーカーや他の製造業でも採用された。作りすぎや過剰な在庫の発生を防げるため、自動車業界では2次以下の部品メーカーも含めて広く取り入れられている。在庫管理にかかる時間や人手を減らす効果もある。
 在庫が少ない分、災害時などに部品の供給が滞った場合などは不足が発生しやすくなる。新型コロナウイルス禍では東南アジアなどの部品工場が停止したり稼働率が下がったりして、完成車の生産に支障を来している。物流が正常に機能して部品が予定どおり届けられることを前提にしているため、交通網のトラブルにも影響を受けやすい。2011年の東日本大震災やタイ大洪水、16年の熊本地震などを機に在庫管理を見直す動きがあった。
ジャストインタイム