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自動車の脱炭素規制

2021.10.1(金) 掲載
 脱炭素社会の実現に向け各国・地域が年々、取り組みを強化している。走行時に車から出る温暖化ガスの排出量を減らす燃費規制と、国や地域内でガソリン車の販売自体を禁止する規制の大きく2種類がある。違反すると罰金などが科される。電気自動車(EV)など二酸化炭素(CO2)を出さない車への転換を促す目的だ。
 最も厳しいのが欧州だ。欧州連合(EU)は車のCO2排出を2035年までにゼロにするよう求める規制案を示した。ガソリン車やハイブリッド車(HV)は販売が事実上禁止される。すでに「CAFE規制」と呼ばれる燃費規制を本格施行し、走行1キロメートルあたりのCO2排出量を平均95グラム以下に抑えられないメーカーに罰金を科す。車の製造から廃棄までの全工程を指す「ライフサイクル」でCO2排出の把握を求める議論も進む。
 中国は19年にEVなど「新エネルギー車」の生産をメーカーに義務付ける規制を導入した。米国はバイデン政権が新車販売に占めるEVなどの割合を30年に5割に高める大統領令に署名した。日本も30年度の燃費規制を16年度比で3割厳しくした。35年に新車販売を電動車にする方針を政府が示しているが、目標にとどまる。

自動車の脱炭素規制