きょうのことばセレクション

アフガニスタン戦争

2021.10.1(金) 掲載
 2001年9月11日に発生した米同時テロの後、米国はアフガニスタンが首謀者のウサマ・ビンラディン容疑者らをかくまっているとして、イスラム主義組織タリバンが支配していた同国への攻撃を始めた。20年に及ぶ米史上最長の戦争となったが、米軍撤収期限直前の8月15日にタリバンがアフガンほぼ全土を掌握して、事実上、米国の敗北で終わった。
 米国は対テロ戦争として、大量の資金や兵力を投入した。ピークの10~11年には米国だけで9万人の兵を駐留させ、20年間で約2500人の死者を出した。11年には隣国パキスタンでビンラディン容疑者を殺害するなど、対テロで一定の戦果は上げたが、アフガンに民主的な政権は根付かず、経済も最貧国にとどまり続けた。
 米国のトランプ前政権は20年2月、タリバンと和平合意に署名した。タリバンが国際テロを再び支援しないとの合意は取り付けたが、近く発足する見通しの新政権が合意を守るかは不透明だ。国際社会ではタリバン政権復活による、人権侵害やテロ拡散への懸念も高まっていたが、バイデン政権は戦争の終結を優先させた。
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