きょうのことばセレクション

共生社会

2021.9.1(水) 掲載
 障害の有無や人種、性別、性的指向など様々な面の違いを肯定する社会を指し、健常者と障害者の共生は21世紀の世界的な潮流となっている。国連は2006年に「障害者の権利に関する条約」を採択し、日本は14年に批准した。16年には障害者差別解消法が施行され、市民の暮らしの場でのバリアフリー化が進められている。
 国土交通省によると、1日平均3千人以上が利用する鉄道駅などで障害者対応トイレを設置済みなのは19年度は88%で11年度から10ポイント増加。車いすのまま乗れるノンステップバスの普及率も19年度に6割を超えた。教育現場には障害の有無で学ぶ場を分けない「インクルーシブ教育」の方針が出され、特別支援学校だけでなく一般の学校に選択肢が広がっている。
 内閣府が公表した21年版「障害者白書」によると、国民の約7%が何らかの障害を有している。国際パラリンピック委員会(IPC)などは19日から、世界人口の15%と推計される障害者の社会参加を促すための人権運動を展開。各国のランドマークを紫色にライトアップするほか、SNS(交流サイト)などを通じて啓発する活動を始めた。
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