きょうのことばセレクション

アセットライト経営

2021.8.1(日) 掲載
 資産(Asset)の保有を抑えて、財務を軽く(Light)することを目指す経営のこと。工場などの製造設備を自ら保有せず生産を外部委託することや、航空機や自動車といった事業に必要な資産を持たずに賃貸するケースがある。委託費や賃借料など必要に応じた費用を払い、減価償却費などの固定費を減らすことができる。資産を購入する資金を調達する必要もなくなる。
 保有する資産の劣化や陳腐化によって意図せず発生する損失などのリスクを自ら抱えないで済むメリットもある。資産を持たずに稼ぐことができれば、総資産利益率(ROA)や投下資本利益率(ROIC)といった指標が改善しやすく、投資家の評価を高めることもできる。
 日本企業は自ら使う資産を自ら保有することが多かった。西武ホールディングスは鉄道だけでなく、ホテルやリゾート施設など有形固定資産が2021年3月末で1兆4450億円と売上高(3370億円)を大きく上回る。新型コロナウイルスの影響もあり資産を収益につなげられず、効率が悪化していた。
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