きょうのことばセレクション

取締役会

2021.7.1(木) 掲載
 全ての取締役で構成する会議体。企業の重要な意思決定や役員の監督などを担う。出席者の過半数の同意で株主総会の招集、人事、重要な財産の処分などを決議する。業務を担う取締役などは、3カ月に1回以上の頻度で取締役会に執行状況を報告する必要がある。上場企業には社外取締役の選任が義務付けられている。
 企業が採用する統治形態によって取締役会の役割が異なる。東芝が採用する「指名委員会等設置会社」の場合は、過半数を社外取締役が占める3委員会を設置。「人事」と「報酬」に関する決定と、「監査」について各委員会が強い権限を持ち、取締役会は会社の基本事項の決定と、委員会の委員や執行役などの選任を通じた監督にとどまる。具体的な会社の業務執行は、取締役ではなく執行役が行う。
 日本企業の取締役会は多くが経営の監督と執行の2つの機能が一体となっていた。足元では指名委員会等設置会社以外でも見直しが進む。東京証券取引所による「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)は「企業戦略の大きな方向性を示す」「実効性の高い監督を行う」ことなどを主要な責務に挙げた。客観的な立場にある社外取締役を中心に、株主との対話や利益相反の管理、長期戦略の先導など、より高い水準の経営監督を求められている。
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