きょうのことばセレクション

土砂災害警戒区域

2021.7.1(木) 掲載
 2001年施行の「土砂災害防止法」に基づいて指定する区域。崖崩れや土石流、地すべりから住民の命を守るため、土砂災害が発生する恐れがあることを示し、住民に危険を周知したり、避難体制を整備したりする。都道府県は地形や地質などから土砂災害の恐れのある場所を抽出して基礎調査を行い、住民向けに説明会を開くなどしたうえで区域を指定する。
 住民に危害が生じる恐れがある「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」と、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じる恐れがある「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に分かれる。イエローゾーンについては市町村が住民に危険を周知し、警戒避難体制を整備。レッドゾーンでは特定の開発行為が規制され、安全対策の基準に従っているかどうか都道府県などが判断する。
 土砂災害防止法は1999年に広島市などで起きた土砂災害が契機となって制定された。都道府県による区域指定の進捗を見ると、2021年3月末時点で基礎調査対象の指定が全て完了したのは17都県にとどまっている。
土砂災害警戒区域