きょうのことばセレクション

ODA

2021.6.1(火) 掲載
 先進国の政府による公的資金を使った発展途上国への経済協力。政府開発援助と呼ばれる。経済発展を通じ、民主的な政治体制づくりや基本的人権の推進を促す狙いもある。日本は1954年から始めた。必要な資金を低金利で長期に貸し出す円借款が多く、無償資金協力や技術協力もある。ODA事業は近年、日本企業が受注する案件が増えている。
 日本はアジアを中心にアフリカや中東への拠出が多い。90年代は支援額で世界首位だったが、いまは予算がピーク時の半分ほどに減った。それでもミャンマーを含む東南アジア・東アジア向けの2017年実績は日本が38億ドル程度で首位にたつ。2位のドイツの2倍以上でODAを通じアジアで一定の影響力を保つ。
 軍事的手段をとらない日本の外交政策において、経済協力は重要な役割を果たしてきた。ODAもアジア各国との関係強化に活用してきた歴史がある。近年は中国が巨額のインフラ投資を通じて、アジアやアフリカ、中東への影響力を強める。ODAの活用は日本の対中政策の文脈でも重要性が増す。
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