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パリ協定

2021.5.1(土) 掲載
 2020年から適用が始まった気候変動対策の国際的な枠組み。約190カ国・地域が批准し、温暖化ガスの排出削減などを目指す。15年にパリで開いた第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)で合意し16年11月に発効した。排出量が世界で2番目に多い米国はトランプ前政権が17年に離脱を表明したが、バイデン大統領になり21年2月に復帰した。
 パリ協定では途上国を含むすべての国が自ら削減目標を作って公表する仕組みを採用した。先進国だけが削減義務を負った1997年合意の京都議定書よりも温暖化防止の実効性を高めた。世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度未満に抑えることを目指すほか、1.5度以下にすることも努力目標とした。
 18年の科学者らの報告書によると、温度上昇を1.5度以下に抑えるには30年までに世界全体の排出量を10年比で45%削減し、50年までにゼロにする必要がある。11月に英グラスゴーで開催するCOP26に向けて、各国が削減目標を引き上げる作業を進める。

パリ協定