きょうのことばセレクション

OTA

2021.3.1(月) 掲載
 「オーバー・ジ・エア(OTA)」はインターネット経由で自動車のソフトウエアを更新する技術。従来、自動車は販売店や整備工場で部品の交換や追加をしてきたが、通信機能を備えた「つながる車」の場合、OTAを活用すれば遠隔操作だけで車の性能を高められる。技術革新や規制への対応で変化が激しい自動運転分野と相性がいいとされる。
 OTAで先行するのが電気自動車(EV)大手の米テスラだ。現在は高速道路の自動走行などに機能を限定しているが、2019年春以降に出荷した全ての新車がソフトの更新により完全自動運転に対応可能という。オプションで販売する運転支援機能の料金を1万ドル(約105万円)に引き上げ、サブスクリプション(月額課金)方式も検討するなど、売り切りでなくソフトで継続して稼ぐ仕組みを作りつつある。
 開発の中心がソフトに移るなかでは課題もある。常にネットに接続していればサイバー攻撃のリスクがある。走行や安全にかかわるシステムがハッキングされれば命の危険に直結する。IT(情報技術)人材の確保も急務だ。トヨタ自動車は自動運転に向けたソフト開発子会社を18年に設け、報酬体系をトヨタ本体と分けるなどして採用を進めている。
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