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グリーン成長戦略

2021.1.1(金) 掲載
 政府が25日にまとめた、温暖化ガス排出量を2050年に実質ゼロにする工程表。自動車や洋上風力発電など14の重点分野を定め、数値目標や課題への対応策をまとめた。国内外の投資を呼び込み「経済と環境の好循環を生み出す」(菅義偉首相)ことで、30年に年90兆円、50年に年190兆円の経済効果を見込む。
 50年には再生可能エネルギー比率を50~60%と、現在の3倍近くに高める方針。自動車は30年代半ばまでに全ての新車を電気自動車(EV)などの電動車にする。洋上風力は現在国内でほとんど普及していないが、40年までに3000万~4500万キロワットの導入を目指す。
 ただ、実質ゼロ実現に向けた課題は多い。自動車のうちバスやトラックなどの商用車の計画設定は21年夏までに先送りした。原子力も小型炉などの開発に取り組むと明記したが、原発事故後の不信感が国内では拭えていない。実質ゼロ達成と経済成長の両立に向け、技術革新と政策の総動員が求められる。
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