きょうのことばセレクション

デバイスフィンガープリント

2021.1.1(金) 掲載
 ユーザーが使うデバイス(端末)の動作環境の特徴を、フィンガープリント(指紋)のように手掛かりにして、ネット上の行動を追跡する技術のこと。ブラウザー(閲覧ソフト)の種類や設定、ハードディスクの空き容量、図形の描画機能、カメラの種類などの複数の要素を組み合わせることにより、9割以上の精度で特定できるとされる。
 ユーザーがネットを閲覧すると、訪れたサイトの運営者やネット広告を出す企業のサーバー内に、そのユーザーが訪問した記録が使用機器の特徴とともに残される。DFはその痕跡をたどることで閲覧状況などを把握する仕組みだ。好みのサイトの内容などから趣味や嗜好を分析し、広告配信に利用されることも多い。
 似た追跡の仕組みに「クッキー」がある。ただクッキーでの追跡は使用機器の設定を変えることなどで回避できるが、DFは追跡の遮断が困難とされる。DFによる追跡自体を外部から見つけにくくすることもでき、情報管理サービスのデータサイン(東京・港)は「特殊ソフトを使っても検知できない例もある」と指摘する。
デバイスフィンガープリント