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選挙人投票

2021.1.1(金) 掲載
 米大統領選の勝敗を正式に決めるのが「選挙人」による投票だ。形式的には、まず有権者が州ごとの選挙で各党の選挙人を選び、その選挙人が正副大統領を選ぶ間接選挙だ。有権者が投じる投票用紙に記載されているのは大統領候補の名前で、有権者の感覚は直接選挙に近いが、総得票数が多い候補ではなく、全米で538人いる選挙人の過半数270人以上を獲得した候補が当選する。
 合衆国法典は、各州で選ばれた選挙人が12月の第2水曜日後の翌月曜日(今年は12月14日)に集まって投票し、結果を上院などに送付すると定める。翌年1月6日に上下両院合同会議で集計し、正式に大統領を選出する。通常ならこうした手続きは形式的なものだが、今回は共和党現職トランプ大統領が選挙の不正を主張して敗北を認めないため注目を集めた。
 大半の州は1票でも多くの票を得た候補がその州の選挙人をすべて獲得する「勝者総取り」方式を採用する。このため民主、共和両党の勢力が拮抗する激戦州での勝利が重要だ。選挙人制度は死票が多く、激戦州の影響が過大になるなどの弊害も指摘されている。
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