きょうのことばセレクション

日米豪印戦略対話

2020.11.1(日) 掲載
 インド洋と太平洋にまたがる地域での情勢安定を目指す、日米とオーストラリア、インドの民主主義国家4カ国による外交・安全保障の協力体制。クアッド(QUAD)とも呼ばれる。2007年の第1次安倍政権が提唱した構想から出発し、次官級協議などを重ねて19年9月に初の4カ国外相会談を開催した。20年11月には「マラバール」と呼ばれるインド洋の海上訓練を日米豪印で実施する予定だ。
 インド太平洋地域で存在感を強める中国の存在が4カ国連携の背景にある。中国は南シナ海で人工島を建設し、周辺国と領有権を争う。広域経済圏「一帯一路」を掲げ、インフラ建設をテコに地域における影響力を高めている。4カ国連携の狙いを中国の動きに対抗するためとみる識者は多い。
 4カ国は外交や安全保障協力以外の分野でも連携を深める。10月に開いた第2回外相会談では、質の高いインフラ整備やテロ対策、サイバーセキュリティーの面での協力深化についても一致した。こうした幅広い分野での多国間連携を盛り込んだ「自由で開かれたインド太平洋」構想についても日米は主導している。
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