きょうのことばセレクション

日本電信電話公社の民営化

2020.10.1(木) 掲載
NTTは日本電信電話公社が1985年に民営化して発足した。通信事業に競争原理を導入する狙いだったが、NTTの独占力が維持されたのが問題視された。そこで1999年までに持ち株会社のNTT、東西の地域会社、長距離通信会社などに再編された。移動通信のNTTドコモは電気通信事業者の公正な競争を促進するため、政府措置として1992年にNTTから分離された。
 NTTには市場独占力を弱める規制もかけられている。2015年に緩和され、携帯回線と光回線のセット割サービスが可能となった。NTTのあり方を規定する「NTT法」では政府がNTT持ち株会社の株式の3分の1以上を持つことを規定し、政府の影響力が残る。
 分割・民営化は独占形態の見直しのほか、非効率な経営体制の改革を目的としたものもある。1987年に発足したJR7社は、約37兆円の長期債務を抱えて経営が立ちゆかなくなっていた旧国鉄改革の一環で誕生した。債務が40兆円を超えた旧高速道路4公団も、2005年に地域別に複数の高速道路会社に再編された。
日本電信電話公社の民営化