きょうのことばセレクション

英ロイズ保険組合

2020.7.1(水) 掲載
保険会社ではなく、保険を引き受けるアンダーライターと、契約の取り次ぎなどを担うブローカーらでつくる特殊な会員組織。世界の保険会社がシンジケートと呼ばれる引受団をつくり、持ち込まれた案件を引き受ける。2019年末時点では93のシンジケートがあり、1社か複数社で構成される。リスクを分担することで大きな案件を引き受けられる。世界最大級で最古の保険市場でもある。
 英国のロイズ法に基づいて運営され、ロイズ評議会が市場の監督を担っている。19年の総保険料収入は359億ポンド(約5兆円)。収入の内訳は再保険が32%と最も大きく、財産保険(27%)や災害保険(26%)が続く。
 起源は17世紀後半、エドワード・ロイドという人物が営んでいたコーヒーハウスで始まった保険取引に遡る。テムズ川に近い店舗は海運業者らの情報交換の場になっていた。資本家と、航海や船舶のリスクを対象とする保険契約が交わされるようになり、損保市場として発展していった。英ロンドンの金融街シティーに建つ奇抜な外観の「ロイズビル」が拠点だ。
英ロイズ保険組合