きょうのことばセレクション

劣後ローン

2020.6.1(月) 掲載
劣後ローンは、企業が破綻した場合などに銀行が債権回収できる順番が通常の融資と比べて劣後するローンのこと。ハイブリッドローンとも呼ばれる。バランスシート上では負債(借り入れ)と資本(出資)の間に位置し、普通株より配当を受け取りやすい優先株などと合わせてメザニン(「中二階」の意味)と総称される。
 劣後ローンによる資金調達は資本の増強に近い性格を持つため、企業は格付け機関からの評価を高めることができる。政府系金融機関などから劣後ローンで資金調達をすると民間銀行からみた企業の財務の健全性が高まり、通常の融資を受けやすくなる利点もある。
 企業破綻時に債権回収できる順番が劣後しているため、企業が債務超過で破綻した場合は貸し手が資金を回収できないことも多い。このため、金融機関にとっては一般的な融資と比べてリスクが高く、その分金利も高くなる。新たに株式を発行することなく資本を増強できるため、企業が株式の希薄化を避けたい場合などに使われることが多い。
劣後ローン