きょうのことばセレクション

難病治療薬

2020.6.1(月) 掲載
治療方法が確立しておらず、長期の療養が必要になる難病を治療する医薬品の開発が進んでいる。希少疾患と呼ばれる患者数の少ない疾患は世界で約7千種類。臨床試験を実施するにも患者の確保が難しいほか、患者数が少ないため企業が開発を進めにくい領域だったが、競合する企業も少なく、中長期にわたり収益を確保しやすい利点もある。
 各国で難病治療薬の開発を後押しする制度が充実している。日本では「希少疾病用医薬品」の指定制度がある。指定を受けられれば、開発にかかる企業負担を軽減するため助成金の交付を受けられるほか、優先審査の対象にもなる。2019年5月に保険適用されたノバルティスの白血病治療薬「キムリア」などがある。
 重篤な疾患に対する画期的な治療薬であれば「先駆け審査指定制度」も活用できる。今回の「ゾルゲンスマ」のほか、小野薬品工業のがん治療薬「オプジーボ」や、ニプロの傷付いた脊髄神経を回復する「ステミラック」も対象だった。
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