きょうのことばセレクション

先駆け審査指定制度

2020.5.1(金) 掲載
世界に先駆けて日本で画期的な治療薬や医療機器、診断薬などを申請してもらうために2015年に導入された制度で、優先的な審査や早期承認が受けられる。主に治療薬などの画期性や対象となる病気の重篤性、有効性、日本を優先して承認を目指す製品が対象となる。指定された製品は、通常は1年程度かかる審査期間が6カ月程度に短縮される。
 これまで医薬品では塩野義製薬のインフルエンザウイルス治療薬「ゾフルーザ」や日本新薬の筋ジストロフィー治療薬「ビルテプソ」など8製品が承認されている。医療機器でもノーベルファーマによる発声障害の治療機器「チタンブリッジ」や住友重機械工業の新規放射線治療システム「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」など2製品が承認を取得している。
 様々な優先プログラムで1~2カ月程度で承認する仕組みがある米国と比べると決して早いとはいえない。米国や欧州では臨床試験(治験)そのものを短縮する仕組みもあり、基礎研究から治験、承認までの期間を比較すると日本は10年程度。海外の3~5年と比べて時間がかかるという批判も多い。
先駆け審査指定制度