きょうのことばセレクション

再保険

2020.3.1(日) 掲載
地震やテロなど巨額の保険金の支払いが見込まれる保険について、保険会社が別の保険会社にリスクの一部を引き受けてもらう取引のこと。保険にさらに保険をかけるので「再保険」という。支払金額の大きな損害保険の場合、災害や事故に対する補償で損保会社の経営が不安定になりかねない。再保険を使うことで支払いリスクを抑えて、経営を安定させる。
 再保険を引き受けた会社は再保険料を受け取り、巨額の支払いが発生した場合に再保険金を支払う。主に災害に備える火災保険やサイバー保険など、巨額の支払いに見舞われるリスクのある分野で活用されている。近年は日本や世界で自然災害が過去最悪の規模で発生しており、日本の損保業界にとって重要性が増している。
 再保険は海上貿易の発展とともに欧州から世界に広がっていった。大手の再保険会社はなお、スイスやドイツ、英国など欧州勢が多い。世界的な金融緩和で機関投資家なども災害向け債券の購入などを通じて再保険市場に参入。災害多発で上昇しつつある再保険料を抑える要因になっている。
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