きょうのことばセレクション

新型インフルエンザ

2020.3.1(日) 掲載
毎年流行するインフルエンザとは特徴が異なる新型ウイルスが出現した場合、世界的な大流行(パンデミック)を引き起こし、大きな人的被害や経済損失をもたらすことがある。鳥や豚などの体内にあるウイルスが人に感染するタイプに突然変異することで発生するとされ、歴史上も10~40年周期で繰り返されてきた。1918年に流行した「スペインかぜ」もその一つだ。
 2009年には豚のインフルエンザから新型ウイルスが発生し、1年間で国内の約2000万人が感染した。水際対策や医療機関が混乱に陥ったことを教訓に、12年には新型インフルエンザ対策特別措置法が制定され、対策が強化された。
 政府の行動計画では、発生段階を「海外発生期」「国内発生早期」「国内感染期」「小康期」などと区分。当初は感染拡大を抑えることを目指すが、流行が広がった後は重症者や死亡者を減らすことを重視するなど段階に応じて戦略を転換することも規定している。現在も、強毒性の鳥インフルエンザが人に感染しやすいタイプに変異する可能性が指摘されており、警戒が続いている。
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