きょうのことばセレクション

フィンテック

2020.3.1(日) 掲載
金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語で、IT(情報技術)を使った新たな金融サービスや金融事業を指す。既存の銀行によるデジタル化に加え、IT企業などの異業種やスタートアップが相次いで参入。人工知能(AI)やビッグデータを使った来店不要のオンライン融資や、ブロックチェーン(分散台帳技術)を使った送金システムなどが登場している。
 フィンテック市場は拡大を続けている。アクセンチュアによると、世界の関連ベンチャーへの投資額は2018年に553億ドル(約6兆円)となり、10年からの8年間で29倍に膨らんだ。アジア太平洋地域が最多で北米と欧州が続く。特に中国アリババ集団傘下のアント・フィナンシャルによる資金調達が伸びをけん引している。
 実店舗を中心に業務を展開してきた既存の金融機関では、スマートフォンアプリの拡充や審査プロセスの改善などでの活用が増えている。帳票処理といった事務作業のデジタル化も進み、行員の働き方も変革を迫られている。新興企業との競合や一部サービスで協業する場面も増えており、3メガ銀行などは新卒採用数を抑制する一方で、理系人材の獲得を強化している。
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