きょうのことばセレクション

サイバー防衛

2020.1.1(水) 掲載
サイバー攻撃の予防や攻撃を受けた際の被害を最小限にするための対策。あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」の普及などから攻撃対象が大企業から中小企業にまで幅広く及んでおり、企業活動の継続からも対応の徹底が重要になっている。
 産業のデジタル化とともに攻撃が企業経営をも揺るがす事態が起きている。2017年に30億件のアカウント流出が発覚した米ヤフー(現アルタバ)は当局と被害者に約8500万ドルを支払った。ブランドイメージが悪化し顧客も離れたとされる。米アクセンチュアの調査によると攻撃を受けた際の費用の平均は18年に2737万ドルと12年の3倍になった。日本でも18年は1357万ドルと12年の2.6倍に増えた。
 政府も狙われかねない。8月に米国でハッカーが戦闘機のF15への攻撃を試みる実験をしたところ、センサーなどを止める脆弱性が見つかった。セキュリティー上の欠陥は設計者の想定外のところに発生しやすく、攻撃者の視点も含めた対策が急務となっている。
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