きょうのことばセレクション

ストレステスト

2019.12.1(日) 掲載
経済状況が悪化したり、市場で不測の事態が生じたりしても銀行が健全性を保って業務を続けられるか調べる手法。経済成長率の落ち込みや国債価格の下落、外国為替市場の急変など大きな負荷(ストレス)がかかる状況を想定し、耐久力に疑いが生じるおそれのある銀行は資本増強などの対応が求められる。
 2008年に米国で金融危機が本格化すると、それまで健全とされてきた金融機関が相次いで経営不振に陥った。欧州でも債務危機の深まりで南欧を中心に銀行の信用不安が高まった。こうした事態が起きた反省を踏まえ、米欧では定期的に実施するストレステストで体力の弱った金融機関を早い段階であぶり出している。
 19年6月には、米連邦準備理事会(FRB)が米国内で事業を行う銀行持ち株会社18社を対象としたストレステストの結果を公表。株価が半減し失業率が10%に上昇するなどしても損失を自ら吸収するだけの自己資本が備わっていると判定された。日本でも3メガバンクなどが独自のシナリオに基づき健全性を検証し、金融庁は各社の経営に生かすよう求めている。
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